エリム薬局白石店です!
今回は過去5年の週の平均より多いこともあり、今年ニュースでも取り上げられることの多かった手足口病についてお話しさせていただきたいと思います!

手足口病は、子どもを中心に、主に夏に流行します。
感染症発生動向調査によると、2歳以下が半数を占めますが、小学生でも流行的発生がみられることがあります。
成人を含めた小学生以上の大半は、すでにウイルスの感染(不顕性感染も含む)を受けている場合が多いため、成人での発症はあまり多くありません。


主な症状としては感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背(足の甲)などに2~3mmの水疱を伴う複数の発(ほっ)しんが出ます。
発熱は約3分の1にみられますが、38℃以下のことが多く高熱が続くことは通常はありません。ほとんどの発病者は、3~7日のうちに治る病気です。

しかしながら、まれに、髄膜炎、小脳失調症、脳炎といった中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、重篤な合併症を伴うことがあります。特にEV71に感染した場合には、他のウイルスによる手足口病と比べて、中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高いことが知られています。また、手足口病の典型的な症状はみられずに重症化することもありますので、注意が必要です。

また感染経路についてですが、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便と一緒に排泄されたウイルスが口に入って感染すること)が知られています。
特に、手足口病にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。このような施設の中で手足口病の患者が発生した場合、子ども同士の生活距離が近く、濃厚な接触が生じやすい環境であること、子ども達の衛生観念がまだ発達していないことから、集団感染が起こりやすいためです。

治療法についてですが、手足口病に特別な治療方法はありません。
基本的には軽い症状の病気のため、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。

しかしながら、まれに髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の合併症や心筋炎などが起こる場合があるため、経過観察をしっかりと行い、

  • 高熱が出る
  • 発熱が2日以上続く
  • 嘔吐する
  • 頭を痛がる
  • 視線が合わない
  • 呼びかけに答えない
  • 呼吸が速くて息苦しそう
  • 水分が取れずにおしっこがでない
  • ぐったりとしている
などの症状がみられた場合は、医療機関への受診をご検討ください。

夏も終わりが近づいてきておりますが、感染には十分注意し、生活してくださいね!