体の水分量

成人男性で約60%を占め、赤ちゃんは約76%を占めるとされています。個人差はありますが、この水分量は年齢の経過と共に減少していくものです。特にスポーツなどをしていなくても、日常生活の中で自動的に失われていきます。水分は体温調節や栄養素を運搬する役割を担っているため、身体機能を維持するためには欠かせません。

喉が渇いてから水分を摂取することが多いと思いますが、実は「喉が渇いた」と感じた時には、既に身体からおよそ2%の水分が失われています。たったそれだけと思われるかもしれませんが、ここから運動機能がどんどん低下していき、5%を失った段階で脱水症状や熱中症などの症状が起こるリスクが格段に上がります。対処が遅れるとより危険な症状を引き起こしかねません。

 

喉の渇き、口腔内の乾燥が及ぼすリスク

感染症の元となるウイルスや細菌などの病原体(異物)は、まず気道などの粘膜に侵入して感染を引き起こします。口腔内の粘液にはそれらの異物を捕える役割があり、線毛で押し出すことで対外に排出され、感染症に罹りにくいよう機能しています。具体的には、痰として吐き出されたり、飲み込んで胃で消化されたり、便中に排出されるといった排出方法になりますが、これらの機能はあくまで口腔内の湿度が保たれた状態であることが条件となります。

口腔内が乾燥すると粘液量が減り、線毛が異物を運び出す働きまで低下してしまう原因になり得るのです。

 

脱水を防ぎ、口腔内を潤す!

これが理想ですが、こまめな水分補給とは実際にはどの程度の間隔で水分を摂れば良いのでしょうか。

水分補給を行うタイミングはのどが渇く前が理想的です。ただし、一度に多量の水分を摂取するとそのほとんどは吸収されず排出されてしまう為、頻回に摂取することが望ましいとされています。

目安としてはコップ1杯程度の飲料を18回程度摂取するのが理想的です。また、のどの渇きを感じにくいとされる高齢者の場合は時間を決めたり、起床時や就寝前といった生活リズムに合わせて行うのも有効です。

あまり運動をしない成人を例にすると、1日の適切摂取量はおよそ「2L3L」だと言われています。成人の場合だと体重1gに対して必要な水分量は4050mlと考えられていますので、有効に摂れるよう心掛けましょう。

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エリム薬局新琴似店 水口