水虫は、白癬菌(はくせんきん)という真菌(しんきん;カビ)が皮膚に寄生することで起こる感染症です。高温多湿の夏に増える疾患ですが痒みを伴わないこともあるので、夏にできた水虫が放置され秋に悪化してから受診される患者さんも少なくありません。今日は4つの水虫のタイプと予防法についてお伝えしたいと思います。

 

 

水虫の種類

 

趾間型

最も多く見られるタイプの水虫です。足の指の間や側面にできて、赤くなったり、皮がむけてただれたりします。乾燥型は皮がむけてかさかさし、湿潤型はジュクジュクしたりただれたりします。かゆみは乾燥型よりも湿潤型で強くなります。

 

小水泡型

小水疱型は足の裏や側面に小さな水ぶくれができるタイプです。痒みが強いのが特徴で、小さな水ぶくれが増えると、水ぶくれ同士がくっついたり、破れたりして皮膚がめくれてきます。

 

角質増植型

角質増殖型は足の裏がカサカサして皮膚が厚くなり、踵の部分ではひび割れを生じたりします。痒みがあまりないため、ただの皮膚の乾燥だと思って見過ごされ易い水虫のタイプです。空気の乾燥する冬の方が、ひび割れなどの症状が強く現れます。カサカサした皮膚は剥がれ落ちやすく、床やスリッパなどに着くと他の人に移してしまう可能性が高いため注意が必要です。

 

爪白癬

爪が白や黄色に濁っていたり、もろくなっていたり、爪が厚くなるなどの症状があれば、爪白癬(爪の水虫)の可能性があります。爪白癬は、爪に白癬菌がすみつくことで起こります。爪白癬は普通の水虫と違いかゆくも痛くもないために、水虫だと気がつかずに放置されるケースが多くあります。

 

症状が進行すると、爪の変形のために痛みが現われ、さらには歩行が困難になることもあります。また、感染した爪の中には大量の白癬菌が存在し、そこから常に菌が排出されるため何度も足白癬(足の皮膚の水虫)を繰り返すこともあります。

 

 

 

水虫の予防

 

水虫の予防や他の人に伝染さない為のポイントは以下のようになります。

 

足はせっけんで丁寧に洗う

白癬菌は足についても感染するには24時間以上かかります。角質層に入り込まない限り、菌は簡単に落とすことができます。毎日、足の指と指の間まで丁寧に石鹸で洗うように心がけましょう。ただし、ごしごし強くこする必要性はなく、優しく洗えば十分です。ゴシゴシ擦って皮膚に傷をつけると傷から菌が入りやすくなり感染するリスクが高くなりますので気をつけましょう。洗った後は、よく乾かすようにしてください。

 

足は出来るだけ乾燥させる
白癬菌は、じめじめとした湿った環境を好みます。汗などでぬれたときは、よくふいて乾かしたり、通気性の良い靴を履いたりするように心がけましょう。

 

靴の中を乾燥させる
靴を長時間履くと靴の中が蒸れてしまうので、毎日同じ靴を履くのはなるべく避けて、休日などでは靴を干して乾燥させるようにしましょう。

 

足拭きマットやスリッパの共有は避けましょう
風呂場など暖かくて湿気の多い場所においてある足拭きマットや、スリッパなどは白癬菌の住処になります。水虫の人はマットを共有すると他の人に水虫を移してしまう危険性があるため、共有することは避けて別々のものを使用するようにしましょう。スポーツジムや銭湯など不特定多数の人が使用する施設を利用されている場合も注意が必要です。

 

掃除はこまめに
水虫の足から剥がれ落ちた皮膚によって他の人に感染させてしまう危険性があります。床や畳、カーペットなどはこまめに掃除を行いましょう。

 

 

最後に水虫感染を予防することも大切ですが、なってしまったら、なるべく早く治療を開始して治るまで根気良く治療することが大切です。身近な人たちに水虫をうつさないように、疑わしい症状に気がついたら早目に受診するようにしましょう。

 

エリム薬局手稲前田店 有坂



#エリム薬局 #薬局 #調剤薬局 #札幌 #手稲区 #皮膚科 #水虫 #予防 #治療 #白癬菌 #感染症 #在宅訪問